2014年06月19日

感冒(かぜ)とはどんな病気か

●感冒について

●感冒(かぜ)とはどんな病気か

肺に出入りする空気の通り道を気道といいますが、鼻や口から声帯までを上気道、その奥の気管支を下気道といいます。

かぜは上気道の炎症性の病気なので上気道炎(じょうきどうえん)ともいいます。

下気道の炎症は気管支炎(きかんしえん)であり、さらに奥にある肺の炎症は肺炎(はいえん)ですが、単純な気管支炎までをかぜという場合が多いようです。

「原因は何か」に示すかぜウイルスが鼻や口から侵入して上気道の粘膜の細胞に吸着・侵入(これを感染という)すると、滲出性(しんしゅつせい)の炎症、すなわち粘液性の分泌物が出て「症状の現れ方」に示す症状が起こります。

白色や透明感のある粘液が主であればウイルス性の炎症ですが、痰に色がついている場合は細菌の2次感染に進行しているので、抗菌薬治療が必要になります。




●感冒の原因は何か
 
かぜの原因の9割以上はウイルス感染ですが、一部に溶連菌(ようれんきん)などの細菌やマイコプラズマ、クラミジアが関係します。

寒冷や乾燥などはかぜの誘因ですが、厳寒期よりも晩秋や春先など1日の気温差が激しい時期にかぜが多いこともよく知られています。
 

かぜを起こすウイルス(かぜウイルス)を詳しく数えれば100種類以上もありますが、代表的なものは約10種類です。

すなわち、・季節にあまり関係なく主に鼻かぜを起こすライノウイルスやコロナウイルス・夏を中心に腹痛、下痢などおなかの症状を伴いやすいエンテロウイルスやエコーウイルス、コクサッキーウイルス・春や秋のかぜに多いアデノウイルスとパラインフルエンザウイルス・冬に多くて子どもに重症の肺炎を起こすことのあるRSウイルス・インフルエンザウイルス(インフルエンザウイルス肺炎)などが代表です。
 

かぜの多くは季節との関連が強いのですが、かぜの誘因には乾燥や寒冷、温度変化などのほかに、疲労や睡眠不足などもあります。

もちろん、かぜのほとんどは感染症ですから、周囲にかぜが流行していることが最大の誘因であり、原因であるといえるでしょう。




●感冒の症状の現れ方
 
ウイルスの種類によって症状は少しずつ異なります。

通常、体のだるい感じや寒気、のどや鼻の乾燥感などが1〜2日続いたあと、のどの痛みや鼻水、鼻づまり、頭痛、発熱などが現れます。

そのまま治ることも多いのですが、引き続いて咳(せき)や白っぽい粘液のような痰が出たりします。

咳や痰が出ることは、炎症が下気道へも広がり始めたことを意味しており、発熱も含めて症状はさらに強くなります。
 

しかし、これらの症状は侵入したウイルスに熱を加えて退治したり、粘液に溶かし込んで弱らせながら痰として体外に排出したりする正常な防御反応ですから、体力を損うような症状でなければむやみに解熱したり咳を鎮(しず)めすぎたりするのは考えものです。
 
ただ、ウイルスを退治するために体内で生産される物質(炎症性サイトカインなどという)は頭痛やだるさ、鼻水、のどの痛み、高熱、食欲不振などの副反応を引き起こします。

小さな子どもでは、腹痛や下痢、嘔吐などの全身症状が出ます。

こうした体力を弱らせる症状は抑える必要があり、その治療(解熱薬、鎮痛薬、整腸薬、点滴など)を対症療法といって、かぜの大切な治療法のひとつです。
 


ところで、ヒトは年に何回くらいかぜをひくのでしょうか。

子どもは年に平均4回以上、大人は2回以上とか、5歳以下は年8回以上、その母親は5回以上、父親も4回以上とする統計などがありますが、軽いかぜのことは忘れやすいので、それ以上かもしれません。




●感冒の検査と診断
 
かぜの症状は誰でもわかりますが、どのウイルスが原因なのか、細菌によるかぜなのかの判別は医師にも難しいので、単なるかぜでも診察は綿密に行われます。

最初に病歴や、どんな症状がいつから起こり、どのように変化したか、市販薬をのんだ場合はどのように変化したか、まわりに似た症状の人はいないか、などが聞かれます。
 

診察では、のどや扁桃(へんとう)に赤みや斑点がないか、白くなって(白苔(はくたい))いないか、黄色い化膿がないかなどを診(み)ます。

また、首のリンパ節のはれ、眼や鼻、皮膚の異常なども調べます。

肺炎や気管支炎などへの広がりを確かめるためには、聴診器で肺の音を聞きます。
 

ウイルスや細菌の種類によって症状や体に現れている変化(所見)が違うのでこのように診察するのですが、正確には鼻の奥やのどを綿棒でこすり、そのなかにどのようなウイルスがいるのか、あるいはそれぞれのウイルスに特有な部品(特異抗原(とくいこうげん))が含まれているかどうかを調べます。
 

場合によっては血液をとって白血球の数を調べたり(ウイルスによる場合は通常減り、細菌による場合は増える)、炎症反応(CRPなど)を調べたりします。

どのウイルスに対する免疫(抗体)が増えているのかを調べることもありますが、抗体は治るころになってようやく増えるので、具合がよくなってから血液検査をすることが多いのです。

また、肺炎になっていないかどうかを確認するために胸部X線検査を行います。
 

かぜと似た他の病気が隠れていることがあり、それらの有無について調べることを鑑別診断といいます。

区別すべき最大の病気は、上気道では花粉症(かふんしょう)などのアレルギー、下気道では気管支炎や肺炎、肺結核(はいけっかく)、肺がんなどです。

これらの多くは、かぜとは症状がやや違って強かったり長く続いたりするので、その場合はすぐ医師に相談してください。





●感冒の治療の方法
 
かぜの治療は大きく2つに分けられます。

「症状の現れ方」で述べた、体力を弱らせてしまうような症状を抑える対症療法がそのひとつです。
 

解熱薬、鎮痛薬、抗炎症薬、うがい薬、整腸薬、点滴などですが、解熱成分、鎮痛成分、抗炎症成分などをひとつの錠剤や散剤にまとめた総合感冒薬がその代表です。

総合感冒薬には多くの種類があり、とくに鼻みずを抑えるもの、頭痛を抑えるものなど、少しずつ違うので、薬局の薬剤師に相談してください。
 

もうひとつは原因療法です。

かぜの原因であるウイルスや細菌(ウイルス感染に続いて発症することが多い)を直接退治する根本的な治療です。

細菌に効く抗菌薬はたくさんありますが、インフルエンザウイルス以外のかぜウイルスに効く薬はまだありません。

重症になりやすいRSウイルスや心臓の合併症が出やすいコクサッキーウイルスなどは、とくに治療薬がほしいものです。
 

漢方薬はどうでしょうか? 

市販の感冒薬にも漢方成分を配合した薬があります。

実は近年、漢方薬の成分が、「症状の現れ方」で述べた炎症性サイトカイン(たくさんの種類がある)をさまざまに調節して、かぜやインフルエンザの諸症状を鎮めることがわかってきました。

経験的につくられてきた漢方薬のはたらく仕組みが、実は合理的であることが科学的に解明され始めたのです。

解明がさらに進めば、漢方薬がもっと使われるようになると思われます。





●感冒(かぜ)に気づいたらどうする
 
かぜは通常、すぐに受診する必要はありません。

安静や市販の感冒薬で治ることが多いからです。

自宅で保温と保湿を十分にし、栄養と睡眠をしっかりとれば、数日で治ります。
 
しかし、一部の人では気管支炎や肺炎に進んだり、心不全にまで進んだりします。

どのような人がそうした合併症を起こしやすいのでしょうか? 

実は、次のインフルエンザのワクチンを打つべき人としてあげられている人たちがそうなのです。
 
すなわち、おおむね65歳以上の高齢者、老人ホームなどの施設で集団生活をしている人、慢性の肺の病気や心臓病の人、糖尿病や腎臓病などで治療を受けている人、アスピリンによる治療を受けている小児、妊娠14週め以降がインフルエンザの流行期に該当する妊婦などです。

こうした人々はそれ以外の人に比べてかぜやインフルエンザが重症化しやすく、肺炎などに進みやすいので、早めに医師の診察を受けてください。


posted by ホーライ at 06:58| 感染症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月16日

インフルエンザとはどんな病気か(その2)

●インフルエンザとはどんな病気か(その2)


●インフルエンザの症状の現れ方
 
インフルエンザは、潜伏期が極めて短いのが特徴です。

感染して1〜2日後に体のだるい感じや寒気、のどや鼻の乾いた感じ(前駆(ぜんく)症状という)が出ますが、その時間は短く、突然38〜40℃にも及ぶ高熱が出て、強いだるさや消耗感、筋肉痛、関節痛などが出ます。

普段健康な若い人でも寝込んでしまうほどの症状が3〜5日も続きます。

解熱薬などで解熱してもしつこく何度も再発熱し、体力の消耗はさらに強くなります。
 
発症の3〜5日後ころに急に解熱して起き上がれるようになりますが、体力の回復には1〜2週間が必要です。

気力の回復にも意外と時間がかかります。

ところが、高齢者や普段から治療を要する慢性の病気をもっている人、妊婦や年少者などではこれだけにとどまらないことが多いのです。

発病の早期から気管支炎や肺炎、さらには脱水症状や心不全、呼吸不全を合併しやすく、不幸な結果になる人も出てきます。

そうした状況に陥るまでの時間が極めて短いのがインフルエンザの特徴で、早めの対応が求められます。




●インフルエンザの検査と診断
 
流行の初期にはインフルエンザの診断は意外に難しいものです。

医師はまず病歴を詳しく聞き出しますが、自分の周囲の流行状況を含めて前項の「感冒(かんぼう)(かぜ)」の場合と同じようなことが質問されます。

診察も「感冒」と同じ手順ですが、インフルエンザでは最近、迅速検査が飛躍的に進歩しました。
 
これは、鼻の奥やのどなどを綿棒でこすり、そのなかにインフルエンザウイルスだけがもっている特有な部品(特異抗原(とくいこうげん))が含まれているかどうかを10〜15分という短時間で調べる検査です。

ただし、症状が出て3日目以降にはインフルエンザウイルスが体内で減り始めるので、発症後48時間までに検査を受けないと確実な診断ができません。

インフルエンザでも早期受診、早期診断が大変重要です。
 
インフルエンザは感冒より重症なので、血液検査やX線検査の回数が増えます。

インフルエンザの場合にも他の似た病気が隠れていることがあります。

区別すべき最大の病気は他の感冒、肺炎などで、それらとの区別は極めて重要です。

肺結核(はいけっかく)や肺がんであることもあるので、検査が必要といわれたらしっかり受けてください。



●インフルエンザの治療の方法
 
インフルエンザの治療も大きく2つに分けられます。

対症療法がそのひとつですが、症状が感冒より強い分、しっかりと行う必要があります。
 
一部の解熱薬が乳幼児の脳炎や脳症の発症に関連しているのではないかといわれていますが、まだ明確ではありません。

ただ、否定できるわけではないので、疑わしい薬剤については気をつけるべきです。

それらのなかで安全性が高い解熱薬はアセトアミノフェンです。
 


原因療法では、数年前からインフルエンザウイルスに直接効く薬が使われています。

インフルエンザウイルスがヒトの細胞に感染する最初の過程を抑えるアマンタジン(シンメトレル)、複製された子どものウイルスが細胞から出て行く過程を抑えるザナミビル(リレンザ)とオセルタミビル(タミフル)です。
 
後二者については、有効成分をまったく含まない薬(プラセボ)と効果を比較した試験で、はるかによく効くことが確かめられました。

肺炎などの重症の合併症を併発する率もはるかに低いことが確かめられましたが、直接ウイルスに効く薬のため、ウイルスが体内で減り始める3日目以降には効き目が極端に落ちてしまいます。

インフルエンザの治療に関しても早期治療が重要です。



●インフルエンザに気づいたらどうする
 
インフルエンザでは早期受診、早期診断、早期治療開始が重要であることを力説してきました。

合併症を併発しやすい人や重症化しやすい人ではとくに重要です。

「感冒(かぜ)」の項でインフルエンザワクチンを打つべき人としてあげた人たちは、ワクチンを打って予防するだけでなく、発症したらすぐに医師の診察を受けることが大切です。




●インフルエンザの予防の方法
 
予防の基本はワクチンの接種です。

ワクチンはかかるのを防ぐのではなく、重症化を抑えるものであることもあって、いまだにインフルエンザワクチンは効かないと思っている人もいますが、ワクチンの効果は内外ですでに実証されています。
 
海外では20万人以上を対象に、ワクチンを打った人と打たなかった人とに分けて調査した成績が複数あります。

いずれもワクチン接種によって、インフルエンザや肺炎による入院患者数が30〜60%減り、死亡者数が50〜70%減っただけでなく、脳血管疾患(脳出血や脳梗塞(のうこうそく)など)や心疾患(心筋梗塞(しんきんこうそく)や心不全など)による入院患者数と死亡者数が明らかに減っていました。

インフルエンザは、肺炎以外にそれらの病気をも誘発していたのです。
 
米国では、肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌に対するワクチンも普及していますが、2つのワクチンを打つとさらに効果のあることが実証されています。

肺炎球菌ワクチンを打つべきとしてすすめられているのは、インフルエンザワクチン接種をすすめられている人とほとんど重なります。

日本でも普及し始めているので、医師に相談してください。


以上



posted by ホーライ at 06:00| 感染症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月15日

百日咳とはどんな病気か?

●百日咳とはどんな病気か
 
間隔の短い咳(せき)が連続して起こり、その咳が文字どおり長い期間続く病気です。


●百日咳の原因は何か
 
百日咳菌という細菌の感染によります。咳は、菌がつくる毒素によるものです。



●百日咳の症状の現れ方
 
潜伏期間は約1週間で、感染者の痰やつばから感染します。

まず、普通のかぜ症状が1〜2週間続きます(カタル期)。

その後、次第に間隔が短く連続して起こり、息を吸う時にヒューという音が出る特有の咳が認められるようになります(痙咳期(けいがいき))。

ただし、3カ月未満の乳児では特有の咳が認められず、単に息を止めたり(無呼吸発作)、皮膚の色が悪くなったりするだけのこともあります。

次第に咳が減り(回復期)、全経過1〜3カ月で回復します。
 
なお、近年、三種混合ワクチン接種終了後、長期間経っている学童期以降の子どもを中心に、長引く咳により百日咳と診断される例が増えています。



●百日咳の検査と診断
 
痙咳期の特徴的な咳の発作によりこの病気が疑われます。

また、百日咳菌を培養する検査や血液検査を行うことがあります。



●百日咳の治療の方法
 
百日咳菌に効果のあるマクロライド系の抗生剤を内服しますが、痙咳期にはあまり効果が期待できず、菌の排出期間を短くすることが主な目的になります。

重症例では、毒素に対して効果の期待できる免疫グロブリンの注射を行うことがあります。
 
合併症としては、肺炎、けいれん、脳症などがあります。

脳症は、重症になりやすい2カ月未満の乳児のおよそ1%にみられます。
 
現在行われている三種混合ワクチンはこのような重症の合併症を予防する効果が高いので、早めにワクチンを接種することが大切です。



●百日咳に気づいたらどうする
 
三種混合ワクチンの接種歴がなく、発作のような咳が長く(1週間以上)続く時は早めに医療機関を受診してください。

以上
posted by ホーライ at 23:51| 感染症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月14日

インフルエンザとはどんな病気か?

●インフルエンザについて


●インフルエンザとはどんな病気か
 
インフルエンザウイルスの感染による炎症です。

ヒトからヒトへ感染しやすく、数年に一度大流行が起こります。

また、気管支炎や肺炎だけでなく、心不全や脳症などを併発し、死亡率の高い病気です。

高齢になるほど、および年齢が低いほど死亡率が高く、大流行の時には日本でも数万人、あるいはそれ以上が死亡しています。
 


インフルエンザウイルスはヒトの体内で爆発的に増えます。

ウイルスは約8時間で100倍に増えるので、1個のウイルスは24時間後には100万個になります。

数千万個にまで増えると症状が現れるので最初に数十個のウイルスに感染すると約1日後には症状が出始めます。

潜伏期(感染してから症状が出始めるまでの時間)が極めて短いわけですが、これがインフルエンザの大きな特徴であり、爆発的に広がる原因のひとつです。
 


インフルエンザウイルスはいつまで体内で増加し続けるのでしょう。

実は感染後2〜3日でウイルスの数は最大になり、その後は免疫抗体ができるため、増えた時と同じような速度で減り始めます。

感染して5〜6日後には体内からインフルエンザウイルスはほとんどいなくなりますが、多くの場合はまだ発熱が続いています。

ウイルスを退治するために役立つ物質(炎症性サイトカイン)が過剰につくられるため、症状を持続させるからだといわれています。



●インフルエンザの原因は何か
 
ヒトに感染するインフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3つがあります。

A型とB型は重症になりやすく、とくにA型ではウイルスの表面にあるスパイク(感染の際に役立つとげや爪のようなもの)が時々姿を大きく変えるためにワクチンが効かなくなります。

これを抗原変異(こうげんへんい)による新型(あるいは亜型(あけい))の出現といいますが、10〜30年ごとの新型の出現時には、大部分の人が新型への免疫をもたないために大流行となり、多数が死亡します。

 
最も有名なのは1910年代後半のスペインかぜです。

青壮年から高齢者まで世界中で4000万人が、日本でも38万人以上が死亡しました。

当時の日本の人口は現在の半分ですから、現在同じことが起こったら80万人近くが亡くなる計算になります。

しかし、2009年春から出現した豚由来の新型インフルエンザでは、診断や治療法の向上もあってそのような大きな被害は出ていないようです。
 


患者さんの咳(せき)やくしゃみは、インフルエンザウイルスを多数含んだしぶき(飛沫(ひまつ))を周囲にまき散らします。

冬の乾燥した空気中ではウイルスを包む水分が蒸発しやすく、ウイルスが身軽になって浮遊し、周囲の人がそれを吸い込んでしまいます(飛沫感染)。

ウイルスが身軽になるほど気道の奥まで吸い込まれます。

冬にインフルエンザが流行するのはウイルスが身軽になりやすいからであり、これも爆発的に流行する理由のひとつです。
 


吸い込まれたインフルエンザウイルスは、自分の体の表面のヘムアグルチニンというスパイクで気道の粘膜に吸着し、細胞に侵入します。

侵入したウイルスは細胞の仕組みを利用して自分の遺伝子を増殖させ、自分と同じ姿の子どもをたくさんつくります。

生まれた子どもは細胞の外へ出て、まだ感染していない細胞へ感染し、同じように自分の子どもを多数複製します。
 
ウイルスが細胞の外へ出る時に役立つもうひとつのスパイクをノイラミニダーゼといいますが、後で述べるインフルエンザウイルスに直接効く薬は、このノイラミニダーゼのはたらきを抑えてしまうのです。

それ以外にもインフルエンザウイルスが感染する仕組みを抑えてしまう薬が多数、開発されつつあります。



(続く)

posted by ホーライ at 15:41| 感染症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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