2014年07月02日

全身性エリテマトーデスの症状の現れ方検査と診断

●全身性エリテマトーデスの症状の現れ方検査と診断
 

一般的な検査としては、血沈(けっちん)(赤血球沈降速度)、尿、末梢血血液検査、胸部X線、心電図などが必要です。

免疫血清検査では、免疫グロブリン、補体などの測定に加えて、抗核抗体・抗DNA抗体・抗Sm抗体・抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体、ループス抗凝血素、梅毒血清反応生物学的擬陽性)といった自己抗体の検査が重要です。
 
SLEそのものの診断は、1982年のアメリカリウマチ協会の「改訂基準」(1997年に改変)に照らして行われます。
 

SLEの活動性の指標としては、抗DNA抗体と補体が最も鋭敏で、活動性が高いと抗DNA抗体は上昇し、補体は低下します。

一般的な炎症のマーカーである血清のC反応性蛋白は、SLEではあまり上昇しません。


●治療の方法
 
治療の中心は、免疫のはたらきを抑えることと、炎症を止めることで、そのための第一選択薬は副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)です。

効果不十分の場合は、ステロイドのパルス療法や免疫抑制薬の併用が行われます。
 
こうした治療により、現在SLE全体としての5年生存率は90%を超えています。死因で多いのは、中枢神経障害、腎不全、感染症です。
 


治療に際しては、一人ひとりの重症度、疾患活動性を十分に吟味したうえで、薬の種類や量を決定します。

一般的にステロイドは、重症の場合はプレドニゾロンを1日60mg、中等症〜軽症の場合は1日20〜40mgから開始します。
 

ステロイドによって症状が軽快し、検査データも改善したら減量を開始しますが、急激な減量は再燃を招く危険があるため、慎重にゆっくりと行います。

目安としては、2〜4週間ごとに投与量の10%を超えない範囲で減量します。

最終的には、プレドニゾロン1日5〜10mgを長期間にわたって使用し続ける必要があります。
 
初回投与量で効果不十分の場合、または減量中に再燃した場合はステロイドを増量します。

これでも不十分な場合は、ステロイドのパルス療法や免疫抑制薬(シクロホスファミド1日50〜100mg、アザチオプリン1日50〜100mg)を併用します。

とくに、WHO分類のIV型のループス腎炎に対しては、シクロホスファミドの点滴静注(シクロホスファミドパルス療法)が長期予後の面からも有用性が高いことが証明されていますが、副作用として無月経(生殖器障害)があるので、慎重に適応を考える必要があります。
 
ステロイドの副作用には、満月様顔貌(がんぼう)、消化性潰瘍、糖尿病、感染症、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などがあります。

とくに、ステロイドの内服量が多い間は、ニューモシスチス肺炎などの日和見(ひよりみ)感染に気をつける必要があり、ST合剤の内服やペンタミジンの吸入で予防します。

骨粗鬆症はほぼ必発で、プレドニゾロン1日5mgであっても進行するため、活性型ビタミンD製剤やビスフォスホネート製剤などの予防内服が必要です。



●生活指導
 
日光暴露(ばくろ)、感染症、妊娠、外傷、手術、薬剤アレルギーなどのSLEの増悪(ぞうあく)因子を極力避けるようにすることが大切です。

SLEでは薬剤アレルギーを有することが多いので、原則として主治医以外からの投薬は受けないようにしてください。
 
また、感染症を起こした場合でも、決してステロイドを中止してはいけません。

これは、長期間にわたるステロイドの内服のために副腎皮質のストレス反応が十分に起きにくくなっているため、中止すると副腎不全を起こしてショック状態になる危険があるからです。
 
プレドニゾロンを1日20mg以下でSLEの疾患活動性がコントロールされていれば、妊娠・出産が可能です。

しかし、分娩後に増悪することが多いので、分娩時よりステロイドを一時的に増量します。

手術が必要な場合も、分娩と同様にステロイドを一時的に増量します。
 
病気の悪化を招いたり、ショックになることがあるので、ステロイドは決して勝手に減らしたりやめたりしてはいけません。
 
緊急の災害時にはステロイドを一緒にもって避難できるように、普段から少し余分に持っておいたほうがいいでしょう。


以上

posted by ホーライ at 05:00| 自己免疫疾患 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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