2014年06月29日

全身性エリテマトーデスとはどんな病気かとはどんな病気か

●全身性エリテマトーデスとはどんな病気か

全身性エリテマトーデス(SLE)は、細胞の核成分に対する抗体を中心とした自己抗体(自分の体の成分と反応する抗体)が作られてしまうために、全身の諸臓器が侵されてしまう病気です。

よくなったり悪くなったりを繰り返し、慢性に経過します。

1万人に1人くらいが発病し、とくに20〜30代の女性に多く、男女比は1対10です。
 

多くの臓器が侵されるため臨床所見も多彩で、関節症状、皮疹(蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)、円板状(えんばんじょう)紅斑)、中枢神経病変、腎障害、心肺病変、血液異常などがみられます。

とくに、中枢神経病変、腎障害があると命にかかわる危険性が高くなります。



●全身性エリテマトーデスの原因は何か
 
SLEは、抗体を作るはたらきをしているBリンパ球が異常に活性化し、それに伴い産生された自己抗体によって、特有の臓器病変が生じると考えられています。
 
SLEの原因はまだよくわかっていませんが、動物モデルにみられるように、複数の遺伝的要因が関与することは確実だと思われます。

これは、ヒトでも一卵性双生児でのSLE発症の一致率が約70%と高いことからも裏づけられます。
 
こうした遺伝的素因に、何らかの外因(感染症や紫外線など)が加わって発症するものと考えられています。

また、女性に圧倒的に多いことから女性ホルモンが関与している可能性も示唆されています。



●全身性エリテマトーデスの症状の現れ方
 
全身の症状として、発熱、全身倦怠感、易(い)疲労感、食欲不振、体重減少などがみられます。

また、皮膚や関節の症状はこの病気のほとんどの患者さんに現れます。

皮膚・粘膜の症状
 
蝶型紅斑(頬にできる赤い発疹で、蝶が羽を広げた形に似ている)が特徴的です。

また、顔面、耳、首のまわりなどにできる円形の紅斑で、中心の色素が抜けてコインのようになるディスコイド疹もみられます。

SLEでは日光過敏を認めることが多く、強い紫外線を受けたあとに、皮膚に発疹、水ぶくれができ、発熱を伴うこともあります。

また、手のひら、手指、足の裏などにできるしもやけのような発疹も特有な症状です。

その他、大量の脱毛や、口腔内や鼻咽腔(びいんくう)に痛みのない浅い潰瘍ができたりします。



関節の症状
 
とくに、関節炎で発病する場合には、手指にはれや痛みがあるために関節リウマチと間違えられることもありますが、SLEでは関節リウマチと異なって骨の破壊を伴うことはほとんどありません。



臓器の症状
 
腎症状としては、急性期に蛋白尿がみられ、尿沈渣(ちんさ)では赤血球、白血球、円柱などが多数出現するのが特徴です(テレスコープ沈渣)。

糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)(ループス腎炎)と呼ばれる腎臓の障害は約半数に現れ、放っておくと重篤となり、ネフローゼ症候群や腎不全に進行して透析が必要になったり、命にかかわったりすることがあります。
 
心臓や肺では、漿膜炎(しょうまくえん)(心外膜炎(しんがいまくえん)や胸膜炎(きょうまくえん))の合併が約20%に起こります。

間質性肺炎(かんしつせいはいえん)、肺胞出血、肺高血圧症(はいこうけつあつしょう)は頻度としては低いですが、難治性です。
 
腹痛や吐き気がみられる場合には、腸間膜の血管炎やループス腹膜炎(ふくまくえん)、ループス膀胱炎(ぼうこうえん)に注意が必要です。


中枢神経の症状
 

中枢神経症状(CNSループス)もループス腎炎と並んで、SLEの重篤な症状です。

多彩な精神神経症状がみられますが、なかでも、うつ状態・失見当識(しつけんとうしき)・妄想などの精神症状とけいれん、脳血管障害が多くみられます。



その他
 

貧血、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少などの血液の異常もよくみられます。

また、抗リン脂質抗体という抗体がある場合は、習慣性流早産、血栓症、血小板減少に基づく出血症状などの症状を伴い、抗リン脂質抗体症候群と呼ばれています。


posted by ホーライ at 03:06| 自己免疫疾患 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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