2014年06月16日

インフルエンザとはどんな病気か(その2)

●インフルエンザとはどんな病気か(その2)


●インフルエンザの症状の現れ方
 
インフルエンザは、潜伏期が極めて短いのが特徴です。

感染して1〜2日後に体のだるい感じや寒気、のどや鼻の乾いた感じ(前駆(ぜんく)症状という)が出ますが、その時間は短く、突然38〜40℃にも及ぶ高熱が出て、強いだるさや消耗感、筋肉痛、関節痛などが出ます。

普段健康な若い人でも寝込んでしまうほどの症状が3〜5日も続きます。

解熱薬などで解熱してもしつこく何度も再発熱し、体力の消耗はさらに強くなります。
 
発症の3〜5日後ころに急に解熱して起き上がれるようになりますが、体力の回復には1〜2週間が必要です。

気力の回復にも意外と時間がかかります。

ところが、高齢者や普段から治療を要する慢性の病気をもっている人、妊婦や年少者などではこれだけにとどまらないことが多いのです。

発病の早期から気管支炎や肺炎、さらには脱水症状や心不全、呼吸不全を合併しやすく、不幸な結果になる人も出てきます。

そうした状況に陥るまでの時間が極めて短いのがインフルエンザの特徴で、早めの対応が求められます。




●インフルエンザの検査と診断
 
流行の初期にはインフルエンザの診断は意外に難しいものです。

医師はまず病歴を詳しく聞き出しますが、自分の周囲の流行状況を含めて前項の「感冒(かんぼう)(かぜ)」の場合と同じようなことが質問されます。

診察も「感冒」と同じ手順ですが、インフルエンザでは最近、迅速検査が飛躍的に進歩しました。
 
これは、鼻の奥やのどなどを綿棒でこすり、そのなかにインフルエンザウイルスだけがもっている特有な部品(特異抗原(とくいこうげん))が含まれているかどうかを10〜15分という短時間で調べる検査です。

ただし、症状が出て3日目以降にはインフルエンザウイルスが体内で減り始めるので、発症後48時間までに検査を受けないと確実な診断ができません。

インフルエンザでも早期受診、早期診断が大変重要です。
 
インフルエンザは感冒より重症なので、血液検査やX線検査の回数が増えます。

インフルエンザの場合にも他の似た病気が隠れていることがあります。

区別すべき最大の病気は他の感冒、肺炎などで、それらとの区別は極めて重要です。

肺結核(はいけっかく)や肺がんであることもあるので、検査が必要といわれたらしっかり受けてください。



●インフルエンザの治療の方法
 
インフルエンザの治療も大きく2つに分けられます。

対症療法がそのひとつですが、症状が感冒より強い分、しっかりと行う必要があります。
 
一部の解熱薬が乳幼児の脳炎や脳症の発症に関連しているのではないかといわれていますが、まだ明確ではありません。

ただ、否定できるわけではないので、疑わしい薬剤については気をつけるべきです。

それらのなかで安全性が高い解熱薬はアセトアミノフェンです。
 


原因療法では、数年前からインフルエンザウイルスに直接効く薬が使われています。

インフルエンザウイルスがヒトの細胞に感染する最初の過程を抑えるアマンタジン(シンメトレル)、複製された子どものウイルスが細胞から出て行く過程を抑えるザナミビル(リレンザ)とオセルタミビル(タミフル)です。
 
後二者については、有効成分をまったく含まない薬(プラセボ)と効果を比較した試験で、はるかによく効くことが確かめられました。

肺炎などの重症の合併症を併発する率もはるかに低いことが確かめられましたが、直接ウイルスに効く薬のため、ウイルスが体内で減り始める3日目以降には効き目が極端に落ちてしまいます。

インフルエンザの治療に関しても早期治療が重要です。



●インフルエンザに気づいたらどうする
 
インフルエンザでは早期受診、早期診断、早期治療開始が重要であることを力説してきました。

合併症を併発しやすい人や重症化しやすい人ではとくに重要です。

「感冒(かぜ)」の項でインフルエンザワクチンを打つべき人としてあげた人たちは、ワクチンを打って予防するだけでなく、発症したらすぐに医師の診察を受けることが大切です。




●インフルエンザの予防の方法
 
予防の基本はワクチンの接種です。

ワクチンはかかるのを防ぐのではなく、重症化を抑えるものであることもあって、いまだにインフルエンザワクチンは効かないと思っている人もいますが、ワクチンの効果は内外ですでに実証されています。
 
海外では20万人以上を対象に、ワクチンを打った人と打たなかった人とに分けて調査した成績が複数あります。

いずれもワクチン接種によって、インフルエンザや肺炎による入院患者数が30〜60%減り、死亡者数が50〜70%減っただけでなく、脳血管疾患(脳出血や脳梗塞(のうこうそく)など)や心疾患(心筋梗塞(しんきんこうそく)や心不全など)による入院患者数と死亡者数が明らかに減っていました。

インフルエンザは、肺炎以外にそれらの病気をも誘発していたのです。
 
米国では、肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌に対するワクチンも普及していますが、2つのワクチンを打つとさらに効果のあることが実証されています。

肺炎球菌ワクチンを打つべきとしてすすめられているのは、インフルエンザワクチン接種をすすめられている人とほとんど重なります。

日本でも普及し始めているので、医師に相談してください。


以上



posted by ホーライ at 06:00| 感染症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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