2014年06月13日

気管支喘息の検査と診断などなど

●気管支喘息の検査と診断

発作性の呼吸困難や喘鳴、咳が、とくに夜間から明け方に出現するか否かで珍断されます。

気道過敏性や気道可逆性、アトピーの存在、痰のなかの好酸球の存在は、喘息診断の補助になります。

また、がんや結核(けっかく)などで気道が狭くなったり、心不全でも喘鳴が聞かれるので、これらの病気がないことを確認します。
 
現在は、日本独自の喘息予防管理ガイドラインがつくられていて、喘息の重症度は喘息症状と呼吸機能の両方から判定されます。

重症度にもとづき、治療の方法が定められています。




●気管支喘息の治療の方法

以前は、気管支平滑筋の収縮をとる気管支拡張薬が治療の主体でした。

しかし、喘息が慢性の気道炎症から起こることがわかり、抗炎症作用が強く副作用の少ない吸入ステロイド薬が中心となりました。
 
気道狭窄に対しては、発作寛解(かんかい)薬として、今でも気管支拡張薬(β2刺激薬)の吸入薬が有用です。

ほかに、従来から使用されている徐放性テオフィリン薬、経口β2刺激薬、抗アレルギー薬も、吸入ステロイド薬を補助する治療薬として用いられます。
 
喘息治療の目標は、副作用がない薬と量で喘息症状をなくし、運動を含めた日常生活に支障がないよう呼吸機能を正常に保つことです。

急におこる喘息発作を気管支拡張薬で抑えることも大切ですが、さらに重要なのが、ふだんから吸入ステロイド薬を中心とした治療をきちんと行い、炎症を改善して発作を起こさないようにすることです。
 
即効性のある吸入β2刺激薬と違い、吸入ステロイド薬は少なくとも数日〜1週間以上吸入しないと効果が出ません。

発作のない時でも吸入ステロイド薬の治療を続けることが、発作予防につながります。
 

また、喘息患者では重症になるほど息苦しさの感覚が鈍くなることが知られています。

かなり気管支が狭くなっているのに、自覚症状をあまり感じないのです。
 

その場合、自宅で呼吸機能を測定できるピークフローメーターが有用です。

毎日測定することで、自覚症状だけではわからない呼吸機能の状態が判断でき、治療の不足や遅れを防ぐことができます。



●気管支喘息の重症度に応じた薬物治療

現在では気管支喘息の重症度は、患者さんの自覚症状と呼吸機能から決定されます。

治療はこの重症度を考慮して行われます。
 
たとえば、週に1回未満の喘息症状が現れるごく軽症の患者さんは、吸入β2刺激薬を発作時にのみ使用するだけでよいのですが、週1回以上発作がある場合では、少量の吸入ステロイド薬で治療します。
 
さらに慢性的に症状があったり呼吸機能が低下している時は、中〜高用量の吸入ステロイド薬を使用します。

これらの治療でも喘息がコントロールされない時に、徐放性テオフィリン薬、抗アレルギー薬、長時間作用型吸入または貼布β2刺激薬を使用します。

最近では吸入ステロイドと長時間作用型β2刺激薬の合剤も登場し、広く使用されています。
 
どの重症度でも発作時にはβ2刺激薬の吸入薬を使いますが、それでも呼吸困難が強く横になれないような時は救急外来を受診し、ステロイド薬と気管支拡張薬の点滴や、血中の酸素濃度が低下している時は酸素の吸入を行います。

すぐに発作が治まらない時は入院も必要です。



●気管支喘息の原因療法

アレルゲンがわかれば、それを取り除くことが第一です。

また、できるかぎりアレルゲンと思われるものを避けることが必要です。

しかし、完全なアレルゲン除去は難しく、生活上のさまざまな対策が大切になります。
 
また、室内塵のように、どんなに努力しても完全に除去できないアレルゲンについては、原因物質のアレルゲン成分を少量ずつ繰り返し注射して、体を慣らしてしまおうという「アレルゲン免疫療法(減感作(げんかんさ)療法)」もあります。

ただし、この方法では初めの半年〜1年間は最低週1回ずつ、その後2年間ほどは4週間に1回程度の注射を続ける必要があります。

少しよくなると中断してしまう人も多く、この場合は初めからやり直さなければなりません。

アレルゲン免疫療法は発病後なるべく早く開始するほど効果が高いといわれています。
 


最近では「急速減感作療法」といって、1週間の入院で原因アレルゲンを毎日数回注射するという方法もあります。

従来のアレルゲン免疫療法よりも有効で、一部のアレルギー専門施設で行われています。
 
また、喘息には何らかの精神的な要因も関係しており、心身症としての側面もあります。

そこで、心身のリラックスを図る自律訓練法を中心とした各種の精神療法が行われています。

とくに小児の場合、健全な成長を促す意味でも、患児本人や患児集団、さらに家族を含めたいろいろな精神療法が試みられています。



●気管支喘息の経過と予後

子どもの時に発症した喘息は、しばしば成長に伴い自然に治ります。

一方、小児喘息を成人まで持ち越したり、成人になってから新たに発症した喘息は、長期に続くことも知られています。
 
成人喘息の人でも外来で適切な治療を受けていれば、発作をなくすことが可能です。

吸入ステロイド薬による治療を続けると、喘息による救急外来の受診回数や入院回数、さらに喘息死まで減少することがあきらかになっています。

喘息患者の生活の質(QOL)は、吸入ステロイド薬を中心とした適切な抗炎症治療で確実に向上するのです。



●日常生活での注意点

以下、要点だけを記載しておきます。

(1)ほこりを避ける。

(2)犬や猫、ハムスターなどのペットを飼うのはやめる。

(3)室温の変化や換気に注意する。

(4)市販のかぜ薬に注意する。


市販のかぜ薬にはアスピリンなどの喘息の原因になる薬が含まれていることがあります。


以上

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posted by ホーライ at 11:00| 気管支喘息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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